※この項では感染症、食中毒などで発症する下痢症状は書いていません。
現在、代表的な現代病の一つと言えるのが「過敏性腸症候群での下痢症状」です。
「緊張するとお腹を下す」「思っただけ、考えただけでお腹が下す」という人の多くが この過敏性腸症候群ではないかと言われています。
原因は、不安や心労、重圧、気苦労、緊張、睡眠不足などのストレスです。
ストレスによる自律神経の乱れにより発症すると考えられています。
腸と脳はお互いに交信し会話していることが分かっています。
ストレス過多は脳を混乱させ自律神経を乱します。
その為に、身体は“非常事態”と捉え、とりあえず胃にあるもの、腸にあるものを早く外に排出してしまおうという過剰な防衛反応が「下痢」という形で表現されているのです。
原因はストレスですので、単純にストレスを除去する方向に生活を持って行くのは必須ですが、単純にストレスを除去することは、患者さん本人の力だけでは変える事が出来ないことも多く、並大抵のことではありません。
臨床上においては「下痢=冷え」の改善を念頭に置いて治療を致します。
何故かというと慢性的な下痢の症状の患者さんは、お腹、足、手に触れると非常に冷たくなっている方が多いのです。
これはストレスのために自律神経の交感神経が高まっているために血管が収縮し、血液における大切な「温度を運ぶ」機能が低下しているためと思われます。
自律神経問題と冷え問題は、身体にとって大変重要なワードでありどちらも早期の改善が大切です。
治療では、マッサージと骨格調整、内臓治療、柔軟体操を効果的に使って、骨盤内に暖かい血液が宿る身体に変えていきます。
調整を施し筋骨格の位置関係を正すことにより、神経の流れも正され排泄機能が正常化されます。
下肢の筋肉が硬く柔軟性が乏しい方も便秘傾向にありますので、腰回りや臀部、下肢の筋肉へのマッサージや柔軟体操は重要な治療法となります。
「筋骨格治療、内臓治療、頭蓋骨治療と柔軟体操」をバランスよく施すことで、本来の柔軟性に富んだしなやかな身体に戻し「慢性的な下痢」にさせない身体を目指します。